補助事業・委託事業・その他

海洋エネルギー関連産業創出事業<釜石市補助事業>

岩手県海洋エネルギー産業化研究会を運営し、地場企業が海洋エネルギー産業へ参入する機会を促進し、研究開発、事業化を進めながら、地域経済の活性化と雇用の創出を図る。

コーディネーターの配置

昨年度に引き続き、研究会活動及び再生可能エネルギーの産業化をコーディネートする専門職員を配置する。

「岩手県海洋エネルギー産業化研究会」の開催及び情報発信

平成27年12月に発足した、「岩手県海洋エネルギー産業化研究会」を継続的に開催し、海洋エネルギーに関する最新動向や専門家による研究開発の状況報告等を行うことで産業化に向けた企業の機運醸成、漁業関係者等の理解増進を図る。

また、専用ホームページにて、これまでの取り組みや将来の計画等を随時情報発信し、関係企業の参画を促す。

「海洋エネルギーに係る研究開発、事業化の推進」

①釜石波力発電システムの実用化を目指した取り組み 

昨年度まで実施した、「インテリジェント吸波式波力発電による地域経済循環ビジネスモデル実証事業(環境省委託事業)」の実証事業により、釜石港湾口防波堤に波力発電装置を設置した取組は、振動水柱型波力発電の信頼性向上と高コスト課題に対応する画期的なものであり、波力発電システムの性能と信頼性が確認された一方で、最適な設置位置を特定することと、防波堤構造の補強技術と防波堤に影響を与えない施工方法の確立が重要であることが課題となった。これら実用化に向けた課題を解決し、普及促進への着実なステップを進めることとし、外部資金の獲得を含め、引き続き、関係機関との連携により実用化支援体制を構築する。 

②漁業協調メニューの探索 

海洋エネルギー事業の取組みにあたっては、漁業や海運業などの海域利用者との協調をいかにして醸成させるかが重要となるが、脱炭素先行地域の重要項目であるブルーカーボン(藻場再生)等、漁業協調に資するメニューを探索する。 

③普及・啓蒙、人財育成 

釜石波力発電システムを含めた海洋エネルギーに関し、当地域の小中高校等への出前授業(釜石高校SSH釜石商工課題研究等)を行い、これら取組の普及・啓蒙、人財育成を図る。

釜石沖海洋再生可能エネルギー実証フィールド」の利活用に係る調整 

釜石沖海洋再生可能エネルギー実証フィールドの利活用案件について、県及び市の担当課とともに、漁協関係者及び許認可機関に対する調整を行う。

地域産業育成事業<釜石市補助事業>

当地域では、社会情勢や市場構造の変化など厳しい経営環境が続いており人材確保も難しい状況にあり、企業が事業継続していくためには、この状況を打開し新たな活路を見出していくことが重要となる。このような状況の中、本事業では、新商品や新技術の開発や販売力の強化、人材育成や外部人材との交流及び新分野進出等を促進するため支援を行い、地域競争力を高める産業クラスターの形成など総合的に支援することにより、地域産業の活性化を目指す。 

技術支援・開発支援

・企業訪問による企業課題やニーズ等の聞き取り及び各種支援施策の情報提供を行う。  
・必要に応じて大学や公設試等と連携しながら、企業ごとの課題に対して個別支援を行うほか、
 ものづくりを促進する環境を整える。
 
・地域資源を活用した新商品の開発を目的とし、税財源として関心の高いふるさと納税の返礼品への
 採用も視野に入れた開発支援を行う。

新たな事業展開
・経営者や部門担当者等を対象として、経営力強化や新たな事業展開に繋がる研修・勉強会を開催する。
(例:事業計画・資金計画、マーケティング)
 
・慢性的な人手不足への対策に向け、デジタル化やDX化による生産性向上の実現に向けた支援を行う。
 「3.北上川バレーDX推進・高度人材確保促進事業」では、対象業種がものづくり製造業及びIT業と
 限定されていることから、それ以外の業種の支援をカバーできる体制を整える。
 
・行政及び支援機関等がDXに関する事業を展開している中、更なる支援の充実と強化を図るため、
 地域事業者のDX案件の掘り起こしを行いながら、各機関の連携体制を強化し、地域産業のDX実装に向けた
 体制の構築を目指す。
 

 ものづくり人材育成、外部人材との交流
・人材還流による地域産業への就労環境の整備に向けて、学生の地域ものづくり企業への就労イメージを
 醸成するとともに、地域企業の人材市場調査に資するため、岩手大学等の学生と地域企業が交流する
 機会を設ける。
  
・地域企業のほか、次世代を担う若者など広く開発、技術訓練などものづくりに触れる機会を提供する
 ことにより、地域のものづくり人材を育成する環境を整備する。
 
・地域企業の技術力向上のほか、今後の事業展開や生産改善に繋げていくため、
 地域内の先進企業見学会を企画し、企業間の情報交換や交流を促進する機会を設けることにより、
 産業クラスター形成を促進する。

販売力の強化
・市場の変化に対応した既存商品のブラッシュアップ等を目的に、販売促進・販路開拓機会を提供する。 

北上川バレーDX推進・高度人材確保促進事業 <岩手県補助事業>

釜石・大槌地域では、高齢化や若手人材の流出等、慢性的な人材不足が大きな課題となっており、それを解決するためには、DX等デジタル技術の活用が必要不可欠である。
本事業では、工場等における製造及び加工においてデータとデジタル技術を活用するための勉強会を実施し、各社におけるデジタル基盤や付加価値向上はもとより、ものづくり企業による新事業の創出及び雇用の拡大に繋げる。

コーディネーターの配置

デジタル技術導入に向けた活動及び地域におけるDXの普及推進をコーディネートする専門職員を配置する。

ものづくり企業のデジタル技術導入・活用に向けた個別支援

企業ごとに課題が異なることから、DX活用の前段階である業務の棚卸、課題の整理を行い、具体的な事案については専門家へ繋ぐ等、それぞれの課題感に合わせた個別支援を行う。 

令和6年度はこれまでの活動を踏襲しつつ、より具体的に各社がデジタル化に移行しやすい環境作りやツールの紹介を個別に支援し、共通的な課題や必要な情報については集合研修にて指導するなど、個別型・集合型両輪の支援メニューを企画し、各企業の自走に向けた取り組みをサポートする。 

企業訪問により、地域のものづくり企業のデジタル技術に関するニーズを掘り起し、そのニーズに対応した事業企画・実施を行う。

DX(デジタル技術)の普及に係る勉強会の開催

地域の事業主・従業員等を対象として、DXの活用に関する事例紹介や、DXの概念~技術に関するテーマの勉強会を開催することで、省力化・省人化できるデジタル技術の情報を提供し、地域内でデジタル技術を活用できる人材を育成する。 

令和4年度では、DXの考え方、県内・地域内活用事例、DX・ITツールの紹介を行い、管内企業のDXに対する課題階層の見極めを図った。また、令和5年度では、初期ニーズは継続的に捉えつつも、各企業の課題を整理しその課題解決策の一つとして、デジタル化が有効な場合があるということを理解して、その活用事例を紹介することで、より実践的な環境醸成を行った。 

令和6年度も引き続きデジタル化の必要性と事例の周知を実施するとともに、希望する企業に対してはデジタル成熟度に応じたリスキリングを各方面の支援機関や専門家を交えて実施する。